体に必要な主要ビタミン・栄養素の概要


主要ビタミン・栄養素概要

炭水化物
炭水化物は人間の主要なエネルギー源となる栄養素で、体内に入ると炭酸ガスと水に分解され、その過程でエネルギーを産生します。
炭水化物が不足する状態が続くと、体内のたんぱく質が分解されエネルギー源として使われます。そのため基礎体力が低下し、疲れやすくなるほか肝臓の解毒作用の低下、肌荒れなどの症状を招きます。
また、脳は炭水化物からつくられるブドウ糖だけをエネルギー源としており、極度に炭水化物が欠乏すると脳の働きにも支障が生じます。ダイエット中でも毎日50g(ご飯1杯分程度)の炭水化物は摂取しましょう。

たんぱく質
筋肉や血液など、体の主要な部位を構成するたんぱく質は、20種類以上のアミノ酸から形成される物質です。
アミノ酸の多くは体内でもつくれますが、体力でつくれず、食品から摂取が必要なものが8種類あります。それが必須アミノ酸。必須アミノ酸はどれかが欠乏するとたんぱく質を合成できず、1つでも不足すると他のアミノ酸もうまく働きません。
そのため、必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質ほど栄養素として良質です。それを示すのがアミノ酸スコアで、たまごや肉のたんぱく質は大半が最高値の100。大豆も80以上で良質はたんぱく源です。

ビタミンB群
ビタミンB群は炭水化物や脂質、たんぱく質の代謝に深くかかわる栄養素でB1、B2、B6、B12など、十数種類があります。
ビタミンB群は1つ不足すると、ほかも連鎖的に働きを止めてしまうため、全体をバランスよく摂取することが大切です。また全てが水溶性で、その大半は体にためておけないため、毎日摂取する必要があります。
但し、余分なものは尿とともに排出されるため、よほど極端な摂取をしない限り、過剰症の心配はありません。

ビタミンB1
炭水化物をエネルギーへ転換するのに不可欠な栄養素です。不足すると慢性疲労や気力の減退、情緒不安定や記憶力の低下などの症状がでます。ひどくなればカッケとなり、手足のしびれやむくみを招きます。
ビタミンB1は水に溶けやすく熱に弱いうえ、水道水の塩素でも破壊されるので、調理中にかなりの量が失われます。意識して多めに摂るよう心がけましょう。清涼飲料水やスナック菓子、酒やタバコの好きな人は特に注意が必要です。
なお、にんにくなどに含まれる硫化アリルはビタミンB1の効力を持続させるので、それらと組み合わせて摂取するのがおすすめです。

ビタミンB2
細胞の再生、成長促進、脂質や等質の代謝、有害物質の分解、過酸化脂質の生成防止などに深くかかわる栄養素です。ビタミンB2が不足すると口内炎、目の充血などを起こしやすくなります。
また過酸化脂質や有害物質が体内に増えることで動脈硬化や老化の進行が速まったり、ガンを誘発する原因にもなります。
ビタミンB2は日本人にとって不足しがちな栄養素の1つ。とくに糖尿病の人は吸収力が落ちるので積極的な摂取を心がけましょう。ビタミンB2は豚肉をはじめとする動物性食品に多く含まれます。

ビタミンB6
たんぱく質をはじめ、神経の伝達物質や赤血球などの合成、脂質の代謝、免疫機能の維持に欠かせません。ビタミンB6が不足すると皮膚炎や肌の脂性(あぶらしょう)、アレルギーや神経過敏、口内炎、貧血、脂肪肝などのトラブルを引き起こすことになります。
ビタミンB6は腸内の細菌によって合成されますが、抗生物質を長期服用している人、ピルの常用者、妊婦は不足に注意が必要です。ニンニクやピスタチオ、マグロなどに多く含まれており、成人1日の所要量は男性1,6mg、女性1.2mgです。

ビタミンB12
赤血球のヘモグロビンの合成を助け、神経細胞内の核酸などの合成、修復にもかかわっています。不足すると造血に支障が出て貧血、倦怠感やめまい、動悸などの症状がでます。
また、集中力の低下、気分の落ち込みといった精神症状も現れます。 ビタミンB12はめったに不足しませんが動物性食品にしか含まれないので、菜食主義の人は欠乏症に要注意。
アマノリ、シミジ、すじこなどに多く含まれます。成人1日の所要量は男女とも2.4ugです。

イノシトール
肝臓に過剰な脂肪がたまるのを防ぎ、コレステロールの流れをよくする作用も持つ。神経細胞の細胞膜を形成する材料にもなる。不足すると脂肪肝や動脈硬化になりやすくなる。

ビタミンQ
栄養素からエネルギーを取り出すのに深くかかわるほか、免疫や白血球、精子の働きを活性化する。強い抗酸化作用もある。体内で合成されるため、欠乏の心配はまずない。

ビタミンU
キャベツから発見されたビタミン様物質で、そのことからキャベジンとも呼ばれます。まだ、不明な部分のある栄養素ですが、おもな働きは胃酸の分泌抑制や胃粘膜の新陳代謝の促進などがあげられます。そのため、胃潰瘍や胃炎などの回復が認められ、医薬品として利用されています。また、肝臓障害にも効果があるといわれています。
ビタミンUを食品から摂取する場合はキャベツやパセリ、レタスなどに多く含まれています。野菜がきらいな人は、ビタミンU不足に注意したいものです。熱に弱いので、調理の際は生か、短時間の過熱に留めましょう。所要量はとくに決められていません。

脂質
脂質は体のエネルギー源やホルモン、胆汁の材料となるほか、ビタミンA、D、Eなどの円滑な吸収にも不可欠な栄養素です。
脂質のうち、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸はコレステロールをふやしたり、血液の粘度を高める作用があります。
一方、植物性脂肪に多い不飽和脂肪酸にはコレステロールを減らしたり、血をサラサラにする作用があります。脂質には1gあたり約9kカロリーと、炭水化物やたんぱく質の倍以上のエネルギーがあり、とりすぎは肥満に直結します。
成人の適正な脂肪摂取量は1日の総摂取エネルギーの20~25%までと考えてください。

ビタミンA
ビタミンAには2種類あり、動物性食品に含まれ、そのままビタミンAとして働くのがレチノール。一方、βカロテンに代表されるカロテンは緑黄色野菜に多く含まれ、体内で変化してビタミンAになります。
両者とも最終的な働きは同様ですが、レチノールはとりすぎると頭痛、発疹、疲労感などの過剰症がでるので注意。これに対して、カロテンは必要なだけビタミンAとなるので過剰症はなく、残りは抗酸化物質として働きます。
なおレチノール当量とは両者のビタミンAとしての効力をレチノールの量に換算した数値です。

ビタミンC
ビタミンCは免疫力の強化や抗酸化作用をはじめ、多彩な働きをもつ栄養素です。その1つがコラーゲンの生成。コラーゲンは皮膚や筋肉、骨、血管の細胞を結合する組織で、ビタミンCが欠乏すると肌の張りが失われ、簡単に出血するようになります。また、色素の沈着を防いでシミやソバカスを予防するなど、美容にもビタミンCは有効です。
ビタミンCはタバコを吸ったり、精神的なストレスがかかると大量に消費されるので、該当する人は十分な補給が必要です。また、ビタミンCは水に溶けやすく、熱にも弱いため調理は手早く済ませましょう。

ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収や、体内での利用に深くかかわる栄養素です。ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収がうまくいかなくなり、先ず、精神的にイライラしやすくなります。その後、骨軟化症やくる病などの欠乏症が表れます。
とくに乳幼児や育ち盛りのこどもは、骨の発育不良や欠乏症を招かないよう成人所要量の4倍の1日10ugが必要。
妊娠・授乳期の女性も通常の2倍の1日5ugが必要とされています。 ただ、サプリメントなどで極端な量を摂取すると過剰症を起こし、食欲不振や不機嫌、吐き気といった症状がでるので適量の摂取が大事です。

ビタミンE
ビタミンEの代表的な働きは、高い抗酸化作用です。
これによって有害な活性酸素を除去し、細胞膜を保護します。それとともに脂質が酸化されてできる、過酸化脂質の生成も防止します。
過酸化脂質は内臓、血管など全身に付着して、動脈硬化、生活習慣病、老化、ぼけなどを招くとされており、ビタミンEは、これらの防止に効果を発揮するのです。さらに血行をよくしたり、肌のシミや冷え性を防ぐ働きもあります。
ビタミンEが不足するとシミができたり、皮膚の抵抗力がなくなります。また妊娠中の女性は流産しやすくなるので注意が必要です。

ビタミンK
骨にカルシウムが沈着するのを助けたり、血液の凝固因子を合成するのに必要な栄養素で、骨粗鬆症の治療薬としても認可されています。
ビタミンKが不足すると、骨に十分なカルシウムが取り込めなくなって、もろくなるのをはじめ、鼻血や大腸炎、乳児の脳内出血を起こしやすくなるなどのトラブルが生じます。ビタミンKは1日に1,0~1.5㎎が腸内に微生物によって合成されるため、あまり欠乏症の心配はありません。また、許容上限摂取量は成人で3万ugです。
抗生物質を長期服用している人は、腸内細菌の働きが弱って、体内での生成量が不足するケースがあります。逆に血液の抗凝固剤を服用中の人は、ビタミンKの摂取を制限されるので注意して下さい。

ナイアシン(ニコチン酸)
炭水化物、脂質の代謝に不可欠なほか、血液の循環促進、脳神経の活動促進、性ホルモンの合成などをになう。不足すると口内炎や食欲不振、不安感などの症状が現れます。

パントテン酸
炭水化物や脂質の代謝、ストレスへの抵抗力や免疫の強化、善玉コレステロール増加などの働きがある。不足すると感染症への抵抗力が落ち、食欲不振やイライラを招く。

葉酸
赤血球をつくるのに不可欠なほか、核酸の合成や細胞分裂、発育の促進、免疫抗体の産生に深くかかわる。不足すると貧血や動悸、神経過敏、子供の発育不全、脳形成不全を招く。

ビオチン
炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝をにない、皮膚や髪の健康にも重要な役割をもつ。不足すると、湿疹や抜毛、白髪の増加のほか、疲労感や憂鬱感などの症状を招く

コリン
神経細胞の細胞膜を形成したり、血圧を下げるアセチルコリンの材料となるほか、肝臓の過剰な脂肪がたまるのを防ぐ。不足すると脂肪肝や動脈硬化になりやすくなる。

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